『………』
ボーッとしている後ろに並んだ由薇は走っている奴等に目を向けながらも、見てはいなかった。
「成、僕が勝ったらドーナツ奢ってよ‼」
「………お、おう」
駆け引きのレベルの低さ。
成一も、思わない駆け引き品に声を詰まらせた。
『………ふっ』
後ろで笑い声が聞こえて振り向くと、由薇は優しく口元に笑みを浮かべていた。
『………あの子達はバカだね』
………ごもっとも。
「昔からだ」
ずーっと五月蝿い。
ピストルで走り出した3組だが、予想はできていた、2人の独壇場だ。
成一が少しの差で勝ったと知った衣緒はゴール地点で地団駄を踏んでいた。

