招集を済ませてその場で立ち話していると、由薇の首に筋肉質な腕が巻きついた。
「由薇、本気で走れよ?」
その腕の主は加藤だった。
『廉………嫌に決まってるでしょ?』
面倒くさそうに言った由薇に、ケラケラと笑いながら加藤は口を開いた。
「魚しいれてやるぞー?
それとも、要らねぇか…『鯛がいいな』
即答でニッコリと言った由薇に加藤は呆れたように笑った。
「本当、現金なヤツ」
『何とでも言え』
一気に態度が大きくなった由薇は、加藤の腕をはたき落とした。
「いってー」
『男でしょ』
半笑いを浮かべた衣緒はもう1組がスタートしていることを恐る恐る告げた。
衣緒と成一は3組。 千尋は5組。 影助は6組で、俺は7組。
由薇は最終の8組だ。
「絶対成に勝つ!」
「無理だね、おチビさん。 足の長さからして無理」
「僕はピッチが速いんだ!」
衣緒と成一がギャーギャーと言い合いしているのを聞きながら列に入る。

