冷たい世界の温かい者達






理事長の一言で解散らしく、その一言を最後に全員影のあるテント下に移動し始めた。




俺達はメンツの奴等が気を利かせて作ってくれていたテントの下に座っているけど。





『暑い………』




むすっとした顔で呟いた由薇の額には汗も何も浮かんでいない。



「全然暑そうに見えねぇけど」



『………暑いの』




パーカー着てるからじゃねぇの?




「前から気になってたけど、そのパーカー男物だよね?」





千尋が核心をつくように言うと、由薇は口を硬く結んだ。





………兄貴のか?




まぁ、言いたくないのならしょうがない。




無理矢理言わせたって、俺達にも由薇にも何もならないんだ。




頭をくしゃりと撫でると、由薇はゆっくりと目を閉じた。




《100Mの人は招集場所に集まってくださーい。 繰り返しますーー》





「お、もうかよ? 早くね?」




成一はタバコをモミ消しながらぐっと伸びをした。




「いっちょ走りますかぁ」



「面倒くさい」


「………」




衣緒だけはヤル気満々で、影助は何も言わないし、千尋は体を動かすのが面倒くさいと感じているらしい。




由薇もぐだっとしているが。






『眠い』



「100Mと借り物競争頑張れば、あとは午後の部だから」




それまで頑張れ、と千尋は軽く笑って由薇の背をポンポンと叩いた。






まぁ、ほぼは午後の部だ。





だから、100M走って借り物競争した後は午前はもうない。




まだ、頑張れる気がする俺は単純なのだろうか。