…どこが可愛いんだよ。
俺達を睨んでいるその顔のどこが可愛いんだ?
「………ムカつく」
「にゃぁ」
可愛らしく鳴いた猫はニヤリと口角を上げたように見えた。
由薇は思い出したみたいにトキヤの顔を上から覗き込んだ。
『トキヤ、少し無愛想かも』
………大分な。
「そ、そうか…」
影助は気まずそうに視線を逸らしてそれっきり口を噤んだ。
『………満足?』
「う、うん! 満足! とても満足!」
………衣緒、無理がある。
由薇は怪訝な顔をしながらも『うん』と返事した。
しちゃうのな。
そこ、しちゃうのな。
………俺、恥ずかしい奴かもしんねぇ。
たかが猫(オス)に嫉妬してたなんざ………
片手で顔を覆って溜息を吐いた。
だけど、人間じゃないことに少なからず安心したんだ。

