由薇は、1つの部屋のドアを開けて見渡して眉を寄せた。
『またか……』
「どうかしたか?」
『ん?
トキヤ、連れてったんだなぁと思って』
……連れてった?
由薇は素早く部屋のドアを閉めて向かいの部屋のドアを開けた。
『トキヤ。』
「……」
……ここに居るのか?
「……ねみぃ…寝かせろ…」
間を置いて威圧的な低い声が聞こえて、背筋を冷やした。
『トキヤ。
友達に見せろって言われたの』
「……お前、友達なんてできたの?」
『……私の勝手だろ』
「別に止めてはねぇよ」
チラリと部屋を覗くと、ベッドが丸く膨らんでて、人が居ることがわかった。
その人は手を布団の淵に手を置いて、布団に隙間をつくった。
そして、出てきた黒い……
『トキヤ、おいで』
「……ニャー」
……猫。

