「さー、軽く行こう!」
衣緒はニッコリと笑って由薇に手を差し伸べた。
それを掴んで立ち上がった由薇は眩しそうに目を開けた。
全員でゾロゾロと校門に行くと、いつもの車。
『………車で行くのか?』
由薇は聞きながら千尋が入って行くのを見ていた。
「あぁ…車は苦手か?」
『いや………ただ、あまり好きではない』
…あまり好きではないものが多いんだな。
『………お願いします』
「えぇ?!あ、はひっ‼」
寛晃に一言声を掛けた由薇。
その声が予想外だったのか、寛晃は声を上擦らせた。
その声にクスっと微笑んだ由薇に寛晃は顔を真っ赤にする。
………やっぱり、お前は違う。
そこらの女なら礼儀も知らず平然と車に乗ってるだろう。
やっぱり、
好きだ。

