冷たい世界の温かい者達





屋上は今日も青空を映し出す。




太陽の光に目を細めると、由薇は気持ち良さそうに目を閉じた。




目を閉じた拍子に揺れた睫毛が、異常に長くてビックリした。




そっと目元に触れると、由薇は不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。




『朔、身長何センチ?』



「………中学の最後に測った時は182センチだった」



『………10センチくらいくれない?』




頬を引き攣らせた由薇の言葉に笑った。




チビだからな、由薇は。



「牛乳飲めよ」



『キライ』



「………煮干し」




『キライ』



「………魚」



『スキ。ダイスキ。』




………そこだけ?





本当に猫のような奴だ。


「骨食うのか?」



『誰が食うか』




由薇はギロッと俺を睨んで、座って柵にもたれかかった。



『あいつ等はどうした?』


「車ん中で何かしてる。」




情報整理だけどな。



『来るのか?』




「もう来てる」




柵から見ても校門に停まっていた車は無かったから。





「由薇ちん!おはよ!」




バンッと大きな音を立てて開いた扉の前から飛び出して来たのは、衣緒だった。




その後に影助が入って来て、俺をチラッと見て小さく笑った。




………チッ。




『お、はよ…』




衣緒にすごい勢いで飛びつかれて、苦しそうに言う由薇から衣緒を引き剥がした。




「衣緒、お前も学習しねぇなぁ」



「だって、由薇ちん抱き心地いいんだよ!


胸無いから柔らかくないけど!」



『…殺してほしい?』




黒いオーラを纏った由薇に失言をした衣緒はブンブンと顔を振って、涙を浮かべた。