冷たい世界の温かい者達






「へー、こんなに広いんだ」



『まぁ………』



由薇は適当に返事をして自室らしい部屋に入っていった。




俺等は広いリビングで寛いでいた。



最上階。




最上階が1番防犯システムが強いらしい。





『で、私の家に何を期待していたのか知らないが、何もすること無いぞ』






由薇は私服らしい短パンにキャミソールを着ていた。



「まぁ、そうなんだけどさー……」





千尋もパソコンを操作しながら由薇に視線を向けた。




「………少し、お茶もらえるかな?」




『…茶っぱが紅茶のしかない』




「なら、紅茶でいいから」




『図々しい奴等だな』と言いながらも笑って、キッチンに向かった由薇に笑みが零れた。






「家もわかったし、由薇のことも少しはわかったね?



冷蝶も由薇みたいだし…




朔も、冷蝶を見つけて満足?」




「あぁ………まぁ」



「まぁ、手に入れたくなったのは自分でどうにかしてもらうにして………」



千尋は深くソファに座って腕を組んだ。






「影助とも言ってたんだけど、由薇自身の経歴もガセばっかなんだ」






影助も静かに頷いた。



「………中学は?」



「関西の方のってことになってる」




「………家は?」



「普通の家族で、一人っ子ってことになってる。



その時点でおかしいんだ。



兄がいると言ってたでしょ?」





………まぁ、経歴もガセを流したってことだけだろ。





「だから、聞き出してね。色々。



俺、未解決なんてヤだから」





黒い笑みを浮かべた千尋に成一は頬を引き攣らせて衣緒は顔を青くして俯いた。



ダージリンのいい匂いがして、顔を向けると由薇がお盆にのせて持ってきていた。





『ダージリンしかないんだ、悪いな』




そこはどうでもいいけど。





「いいよ。ありがと」




衣緒はそう言って笑顔で受け取った。





それぞれ受け取ってそのまま紅茶を飲みほした。