『××の最新マンション』
「え………あそこものすごくデカい…」
『そうだな。普通よりはだいぶと』
サラリと言った由薇は涼しい顔でそう言った。
「………」
だが、家族が住むにはおかしい。
面積は家族が住んでも部屋が余るくらいだろうが、あのマンションは1人暮らしによく人気だと聞く。
最新にしては高すぎてあまり買う人もいないのだとか。
『………1人暮らしじゃないぞ?』
由薇は俺の顔を見ておかしそうに言った。
『まぁ、1人暮らしも同然だけど、兄と2人暮らし。』
………親は、なんてことはまだこの時の俺達には聞けなかった。
「行ってみたーい!
ずっと、建物の中見てみたいと思ってたんだよね!」
『………』
「ねーね、上がってい?!」
キラキラとした衣緒の笑顔に負けたのか、由薇は家に上げることを承諾した。

