冷たい世界の温かい者達





『………あんた達暇なのねぇー』




少し遅れて学校に行くと、由薇は既に屋上に居た。




そして、俺等が1番気になったのは、その容姿だ。




「………変装はいいのか?」



『私、元々入学2ヶ月で変装やめてたし。



最初こそ敵視されたけど、気のいい人ばかりだったから秘密があるのがヤだったの。




あんた達が私を捜してここに来る事を聞いて変装したの。』





そう言って由薇は目元を触りながら俺達を見渡した。




『不気味ならカラコンするけど』



「………何言ってんだ、綺麗だろ」





由薇は呆れたように溜息を吐いて『浩達と同じ事言うんだな』と言った。






………そういえば。




「ってことは、俺達が来る前に浩達は知ってたってことか?」



『そうだな。 知ってたと思うが』




ウトウトと眠そうに目を細めた由薇は俺の肩に頭を置いた。



「………おい」



『いいだろ、減るもんじゃあるまいし…』




「お前………そう言うことじゃなくてだな…」




そう言いかけた時には既に由薇は眠っていた。





………まぁ、浩達には由薇が口止めしていたんだろう。どうせ。




今回は咎めはしないが、次は無い。





ある意味、俺達に逆らったのだから。




俺達は〈仲間だから〉なんてアマいもんで構成されていない。




本来、順従で仕える人材じゃないといけない。




選ばれて失望するような事態が起きたら、トップの期待を裏切ったも同然なのだ。




「………気が重いなぁ」




成一は苦笑してソファにもたれかかった。




『…私が悪いんだ、あいつ等は悪くない』





由薇は俯いて膝の上で拳を握った。




………あいつ等への思いやりはわかった。




だが、






「由薇、この世界はそんなにアマかねぇよ」





『………知ってる。お前等よりずっとか長くこの世界に居たからな』





由薇は悲痛そうに顔を歪めたが、それ以上は何も言わなかった。






「そうそ、お前ん家どこ?」




成一は空気を変えるように由薇に問いかけた。




『………なぜだ』



「送迎してやるんだとー。 王サマが」




ニヤリと妖しく笑って俺を見た成一を睨みつけたら、由薇はこっちを向いた。





『……要らないんだけど、別に』




「万が一だ。 有り難く受け取れ」




『………腹立つ』



由薇は軽くそう言って笑った。





その笑みが戻ってよかったと、奴等も少しホッとした表情をした。