「………っはぁぁぁあああ?!?!?!」
まぁ、驚くのも無理はないだろう。
立ち上がって由薇の頭に手を置くと、由薇はじっと俺を見上げていた。
「………ヅラは、取ったらどうだ?」
『………ふん』
バサッと黒い髪が束ごと手に取られる。
そこから溢れ出てきたのは綺麗な赤みがかった黒髪。
質はヅラより何倍もいい。
『お前、暗闇の中で私の容姿がよくわかったな』
「まぁ、覚えてる」
前髪は適度な感じで切られ、顔がハッキリと見えた。
………やっぱり、綺麗な顔をしている。
千尋達はぽかんと俺たちのやりとりを見ていた。
「………最近は俺等の下を助けてもらったらしいな」
『知るか。
私は街の不良を狩ってるだけだ』
刺す様な視線は俺をゾクゾクと奮い立たせる。
「………礼だ。
白冷はお前に助けられた。
だから、これからは
俺達が、場を持ってやる」
ニヤリと口角を上げると、由薇もニヤリと笑みを浮かべた。
『……偉そうに何を。 クソ餓鬼の分際で』
「だが、お前にとってウマイ話だろ?」
由薇はクッと目を細めて俺を見た。
『………お前にとってはウマイ話じゃないだろう?』
「いや、ウマイ話だよ。」
由薇の耳に口を寄せて小さく囁いた。
「お前を落とす機会が増えるからな…」
『…フッ、上等だクソ餓鬼。
私を本気にさせてみろ』
言われなくても………な。
人生がもう少しは楽しくなりそうだ。

