『女は少しばかり脆いんだよ。
お前等みたいなクソ野郎共と同じにするんじゃない』
男を蹴飛ばした由薇は息を吐いて落ちていた鞄を拾った。
それを見て、すぐに走り出した。
掴んだ拍子にこっちを見た由薇。
その顔を覆った長い前髪を、上に掻き上げる。
見えたのは
驚いたように見開かれた、二つの目。
紅く、蒼く…………
凛とした、“眼”。
「ーー冷蝶…」
『朔…お前…………』
「由薇…なん……」
第三者の影助が声を発した事で、由薇はハッとした表情になり、俺の手を振り払った。
「……っ由薇‼」
呼んでも、アイツは
振り向かなかった。

