「来んなっ来んなよ‼」
その間も発砲音は響き、由薇の肩…足…頬…手…掠ったり当たったり。
その間俺達は走り出そうとしていたが、由咲さんがそれをさせなかった。
『お前の方が馬鹿だ』
「な………」
『人の気も知らないで、何が復讐だ?
真実を確かめようとしなかったお前が1番の馬鹿だよ‼』
由薇はガッと樹の拳銃を持つ手を掴んで自分の胸にあてた。
『人が死ぬ瞬間をこの目で見てきたんだろう?』
「離せ………っ離せよぉお‼」
『よく聞けっ‼』
パンッ
由薇の手が重なった拳銃は発砲音を出して由薇を撃った。
「っ………」
樹は由薇が自ら自分を撃ったのを目を見開きながら見つめていた。
『こ、の音だ、けで命は、簡単に、なくなるんだ………‼
秀一を、殺った時にもうすでに経験しただろ………‼
命が、尽きる感触が、音が、心が
お前にはわかるだろうが………‼』
「嫌だぁぁああ‼ あぁあああぁぁああ‼」
『憎みたかったら憎めばいい‼
だが、私に真っ正面からこい‼
殺したいのなら真っ正面から殺しに来い‼
罵りたいなら真っ正面から罵りに来い‼
話がしたかったのなら、話をしに来い‼
お前を、許さない。
私もお前を許さない。
忘れないから、
1人なんだと思ってんじゃねぇ‼』
「うああああぁぁあ‼」
拳銃落とした樹は由薇の撃たれて血の流れ出す場所を押さえていた。
「誰も居なくなったから‼
母さんまで逝っちゃったから‼
どんな方法でも、
消えたくはなかったから‼
孤独な………っ
死に方をしたくなかったから………‼」
由薇は力の出ない体に鞭打って樹を抱きしめた。
『それだけ言えれば、合格だ………』
樹の言葉を真似たように言いながら由薇は崩れた。
「由薇っ‼」
逝くなよ。
逝ったら、
俺はお前を追いかけて行くぞ。

