「何? 君より脳みその出来はいいけど」
『んなこと言ってんじゃねぇよクソガキ』
由薇は眼光鋭く樹を睨みつけていた。
「ふん、全部お前のせいなのに、何でお前だけ生きてるんだろ~ね?」
『………お前は何故私に突っかかった』
由薇の声に樹は顔を歪ませ不愉快そうに大声を張り上げた。
「母さんを殺したのはお前だ‼」
………サッパリ、わからなかった。
『………何のことだ』
「母さん…美紀は神夜組組員の1人の娘だった‼
だが、その親父から聞かされるのはいつも神夜の“由薇”の話だった‼
自分を見てくれない父親、その女に負けているという劣等感から母さんは自ら施設に入った‼
そこで拾われたのが園田夫妻だった。
そして園田の娘の沙紀とも名前が似ていて本物の姉妹、本物の家族の様に暮らしていた‼
そして傘火 良太を好きになりセフレの関係をずっと続けていた‼
だけど、ある日傘火 良太が口にしたのはまたしても神夜の“由薇”だった‼
だけど本気で好きだったから傘火 良太の由薇の話にも耐えていた‼
だけど妊娠を報告した途端あのクズ野郎………母さんを捨てたんだ‼
そして母さんは酒に溺れ、由薇への憎しみに溺れて孤独に死んだ‼
死んだんだ‼ お前の……お前のせいで‼」
子どもがわかることは単純なこと。
だけど、単純に捉えられるからこそ
感情が、全てが素直なのかもしれない。

