『……いつも、冷は朔と影助の名を口にしていた。』
一瞬ドキッとした。
……昔、あの人と冷蝶……こいつに助けられたのは俺達もだったから。
『なぜ、自分達で作った族の名を白冷にしたんだ?』
由薇はとても穏やかな顔でそう聞いてきて、少しカッコつけた名前の付け方をしたから気恥ずかしくなった。
「……冷さんが死んだことを知らされた時はめちゃくちゃショックで。
翡翠も冷さんの死をキッカケに終わらせることにしたって聞いてた。
だから、白冷を……生かしておきたかったというか…」
影助は少し詰まりながらもそう言うと、由薇は目を細めて静かに微笑んだ。
『ありがとう。 きっとあいつも喜んでる』
儚すぎる笑みが痛いくらい俺の目に焼きつかれた。
『本当に、ありがとう……』
息が薄くなっていた由薇を由咲さんは思いっきり肩を掴んでナースコールを押した。
「クッソやっぱり無理があったか…ッ」
由咲さんは唇を噛みながら俺達に病室を出て行くように言った。
困惑していたものの、とりあえず部屋を出ていると色々な機器を持った看護師や医者が数人入って行った。
もちろん善さんも。

