「由薇……?」 がくりと力の入っていない体を後ろから誰かが起こした。 「クッソ……‼ 善に手術の準備だけさせとけ‼ 古田‼ 車てめぇが出せ‼ 組員は全員潰せ‼」 由咲さんの怒鳴り声が響き、それを機に銃声は一層激しくなり、俺から見える位置でもあちらはもう30名ほどしか生きていなかった。 「あれが」 由咲さんは由薇を古田と呼ばれた男に渡しながら目を俺達に向けた。 「俺達の…… 由薇の、世界だ」 あまりにも断崖絶壁すぎる世界は 俺に恐怖を植え付けさせていた。