「……揺るぎないね」
『あったらダメでしょ』
「まぁ、そうだけど…」
素で言われる分、千尋も反応の仕様がなくたじたじだ。
「…屋上行くか」
影助がそう切り出し、そう言うと由薇はバツが悪そうに眉を寄せた。
『あー…悪い、今日は空き教室行くんだ』
「空き教室?」
俺が呟くと由薇はコクリと小さく頷いた。
「…そーいや、見に行ってないし行ってみよーよ!」
キラキラとした目でこっちを見てくる衣緒に冷たい視線を送ると、衣緒は由薇に顔を向けた。
「いいでしょ?!由薇ちん」
『……あ、ぁ…』
迫力負けしたみたいに頷いた由薇に抱きついた衣緒を引き剥がしながら由薇に視線を向けた。
「いいのか? 何か用事があるんじゃないのか?」
『…別に、居てもできることだし』
由薇は小さく笑って歩き出した。
それに着いて行くと、一つの空き教室に着いた。
『ここだ。
案外設備も整ってるぞ』
「「「……」」」
唖然とするしかなかった。
冷暖房完備、無駄にデカイソファー3台、本棚、パソコン、ベッド、シャワールーム……
もう住めるんじゃないかと思うほど快適そうな部屋だった。
『適当に寛いでな』
由薇はそう言うとパソコンのデスクに向かった。
ソファは綺麗に大きく、並べられてた。
1つに余裕で座れるな。
全員で座ると、カタカタと高速でキーボードを打つ音がして驚いたが、案外得意なのか、と思い直した。
……そのまま昼過ぎまでボーッとそこで過ごしていた。

