『……』 「見覚えはあるか?」 『……ないな。』 首を振った由薇も、冷蝶だ。 気づいてずっと思考を巡らせていたらしい。 『害のある人間を周りに置くほど余裕は感じられないが…』 「油断禁物。 絶対ぇ気ぃ抜くな」 成一は低い声でそう言うと、由薇の頭をポンポンと撫でた。 あの女はどーいう了見で由薇を憎んでる? 当の本人が覚えてないのだから埒が明かないが、とりあえずは護るしかない。 今まで少し緩んでいた肩の力を再び引き締めた。