「あ、僕達今日バイクだったっけ」
「あー……そういえば…」
成一は車で行く気満々だったんだろうが、残念だったな。
「……じゃぁ、今日はここでサヨナラ」
「いや、倉庫で会うでしょ」
ペコリとお辞儀した成一に衣緒はツッコみながらメットをかぶった。
「じゃ、後でね」
そう言ってサッサと1人で走っていく。
どうせ、寄り道してくんだろうけど。
その場で全員解散した。
『……仲良いんだな、意外に』
「っ?!」
突然聞こえた声に驚いて目を向けると、ちっちゃい由薇が居た。
てか、マジでちっせぇな。
『？ お前は行かないのか？』
「いや、俺は車だ。 お前、帰ったんじゃなかったのか？」
『いや、ちょっと諸事情でな』
そう言った由薇は苦々しく笑った。
『じゃぁな』
黒く長い髪を靡かせながら校門を出て行く由薇を、なぜかずっと見つめていた。
