冷たい世界の温かい者達





「………」


『ヘクシッ』



「………」


『………』





今日は全員バラバラに来る為、俺だけ早めに学校に着いた。






だから、コイツと2人きりになった。




『ズズッ』



鼻を啜った由薇をジッと見ていると、由薇はパッとこちらを向いた。



『何だ?』



「………いや、別に」




わざとらしく目を逸らすと、由薇は呆れたように溜息を吐いた。




『すまない、昨日寝冷えしたみたいで』



寝冷えって。




小さく笑うと、由薇は俺を見て目を見開きながらタバコを落とした。



『………お前、笑えるんだな』



由薇がそう言ったのに訝しげな表情をすると、由薇は苦々しい表情をして新しいタバコに火をつけた。




『………私と同種かと思ったんだが』



呟いた意味を知らずに、俺は受け流してタバコに手を付けた。