……
気高い者って、なんだよ…
曖昧な言い回しをされ、少し苛立っていると、衣緒は肩を落としながら「今日は帰ろうよ」と寂しげに呟いた。
成一がその頭に手を置いてくしゃっと頭を撫でた。
「まぁ、今どーのこーの言っても何がある訳じゃない。
虱潰しに聞くのも悪かねぇが、時間がかかる。
もう少し絞れてから改めて探そう」
もっともな意見を述べる成一に頷き、腰を上げた。
奴等も立ち上がってゾロゾロと屋上を出た。
影助が車を呼んでいたらしく、校門には既にいつもの車が停まっていた。
乗り込むと、車は静かに走り出した。
車内は会話こそないものの、穏やかなものだった。
早く見つかってくれればいいんだが………なぁ…
窓の外を見ながらボンヤリとそんなことを思った。

