『ーーーへぇ。』
由薇はさも興味無さげに顔を背けて扉に体を向けた。
『……明と浩からは、何も言われていないのか?』
「……?あ、ぁ」
その意味深な言い方に眉を寄せると由薇はこちらに振り向き、口角を上げた。
『……協力してやることは出来ないが、場所の提供くらいはしてやる』
由薇はそう言って着ているやけにデカいパーカーのポケットから何かを取り出し、俺に投げつけた。
それを片手でキャッチすると、それはカギだった。
「……カギ?」
『屋上は雨の日、来れないだろう?
いつも私が行ってる部屋だ。好きに使うといい。
だが、ちゃんとカギは閉めろ。
厄介なのが入ってくると面倒だからな』
「俺のこと?!」
『お前も裕人もだ。
勝手に入ってきやがって』
「いやぁ、この前の着替えは…ブッ」
『死ね変態教師』
着替え……
由薇の着替えのシーンが何となく浮かんで少し顔が熱くなった。
何で……
初めてあった女に、熱く……

