「由薇ーーー‼
お前、俺のこと着拒してんだろ‼」
突然、バンッと開いた屋上の扉に驚いて目を向けると、理事長が悲しそうな怒ったような顔をして立っていた。
『しつこいんだよ』
「ふざ けん な ‼」
独特のテンポを刻んで言った理事長は朝会った時の冷めた態度はどこにも無かった。
「……あれ、お前等居たの」
俺達を目に捉えた瞬間、キョトンとした顔をした。
『失礼な奴』
「口出てるぞ由薇ぁ‼」
肝心の由薇は平然と携帯を弄っていた。
『……志織。』
「何だッ」
『今日は出ないことにする』
「……わかった。
んじゃ、久しぶりに行こっか『来るなハゲ』
「誰がハゲじゃ!」
理事長がギャーギャーと喚いている間に由薇は立ち上がって俺達に視線を向けた。
『……お前等のここに来た目的は何だ?』
まっすぐに聞いてきた由薇に影助が静かに口を開いた。
「ーーー冷蝶を探してだ」

