冷たい世界の温かい者達








「うあーーー‼ でっかー‼」



「うるせぇ、少しは抑えろ」



「誰も居ないじゃん!」





衣緒が先頭で叫ぶのを、土地の持ち主の由薇は黙って見ていた。




『クマが時々降りてくるから気をつけろよ』



何の気もなしに笑って言い放った由薇の言葉に衣緒、成一も驚いたように固まった。




当たり前だ、こんな山奥。




居ない方が珍しい。




そう考えながら、グルリと夏にも関わらずマイナスイオンの漂う森林の中を見渡した。





その真ん中、俺達の目の前には途轍もなくでかい木製の家が建っていた。




コテージ……にしては、でかすぎる。





関心するように見渡す影助に由薇は笑った。



『あまり外でポケットに手を突っ込んで歩くんじゃないぞ。




何も知らないサルが餌と思って寄って来るから』