冷たい世界の温かい者達







話したそうにしていた久登達を、今日は無理矢理帰した。



今話しても意味はないだろう…。




『……ごめん』





しきりに謝る由薇の背中を再び撫でながら夏休みのことを考えていた。






啓さんと志織さんのはからいで宿題もなくなった。 まぁ、その目的の子供も連れさらわれた訳だが。




だけど、息抜きにはちょうどいい。








「夏休みどっか行こうよー」





衣緒はキラキラと眩しく目を輝かせてそう言った。





「……どこにだよ?」



「海とかー、海とかっ!」



「うん、海な」




成一は疲れたように頭を押さえて口元を歪めた。




「つーてもどこだよ?



ホテルとかとるとなれば、結構金要るし」






悩み出した衣緒に提案した自身はなんだったんだ、と呆れた。








『……山になら、別荘はあるけど』











そんなポツリと呟いた由薇の言葉に、








衣緒は犬のように飛びついた。