「……何か、ただの知り合いにしては親しい雰囲気だよね」
「……あぁ。」
千尋の刺す様な鋭い視線は黒の車にそそがれている。
だが、これといって断定できる関係性をこの目で見た訳でもない。
だから、余計に口を出すなんてことはできない。
「はぁ、」とどうしようもない思いを溜息に乗せて追いやり、隣に居る影助を横目に見た。
「夏休みの間は暫く休めそうか?」
「……何とも言えないな。
最初に総会があるから」
「……そーだったな」
由薇には、あまり何もしてやれてない。
もしかしたら不自由だとさえ思っているかもしれない。
正直、あいつに逃げられれば、俺はとち狂いそうだから絶対阻止しなければならない。
「だが、総会は明後日だから後はだいぶと余裕があるんじゃないか?」
……明後日、だったか。
「……“忘れてんじゃねぇよ”」
影助が心中でそんなことを思ったことに記憶を蘇らせた朔は気さえ向けられなかった。

