「………」
くしゃっと頭を撫でると、由薇は俯いて小さな拳を握った。
『……柚紀、』
由薇は静かな優しい声色で柚紀を呼んだ。
『………今から、前に来た裕樹と亜騎が来るの。』
「………うん」
『柚紀を、迎えに来るのーー』
「………うん」
『ごめん、ね……』
小さく呟いた由薇の声は、情けないほど揺れて掠れていた。
だけど、姿は情けないどころか、優しさに満ち溢れていた。
「……由薇、ありがと」
お礼を言った柚紀はニカッと笑っていた。
「由薇に会ってなかったら、たぶん俺、死んでたかも」
サラリと縁起でもないことを言ったが、今日はスルーしてやろう。
『柚紀、』
「ん?」
『またね』
「……うん。」
「……由薇が珍しく泣いてんじゃねぇか」
この雰囲気に合わない低く掠れた声が聞こえた。

