生徒達はざわざわとしながら楽しそうに笑っていた。
「………あぁ、由薇が来てから本当に柔くなったね」
『私じゃないよ』
溜息を吐いた由薇に啓さんは頭を撫でて笑った。
「理事長から挨拶」
「あ、俺?」
ルーズなのか、理事長はニコニコとしながら壇上に上がっていった。
由薇もその姿を焼き付けるように黙ってジッと見ていた。
「夏休みは楽しむのもいいが、2学期も楽しめるよう、しっかり勉強するように」
学生の心をしっかりと理解し、未来を考えてくれていた。
………抜け目無い、と言うか…父親のような。
そんな温かさを持つ啓さんはこの学園生徒に慕われているのだろう。
誰1人として、聞いていない者は居なかった。

