「だぁぁああーー面倒くせぇ‼」
不満を第一に叫んだのは成一だった。
『……柚紀起きちゃう』
そう言った由薇の視線は俺の腕の中に居る柚紀。
由薇が持つと言ったが、体格的に無理だと判断した俺は仕方なく“抱っこ”している。
正直、何でガキを抱いて学校に行かなきゃなんねぇんだ。
イライラとした雰囲気が由薇に伝わったのか、苦笑を零した。
『いや、今日は短いし志織に頼もうと思って』
志織って、理事長だろ。
話とかあんじゃねぇの?
『今日は啓さん……本当の理事長が来てるから』
志織は見てるだけ、と軽く笑った。
……それにしても。
由薇の知り合いは多すぎる。
理事長、教師、保険医、警官、刑事。
………何か、犯罪起こしても何も無さそうだな。
まぁ、由薇のことだし犯すこともないだろうけど。
案外すぐに着いた学校は不良が全員来ていて、夏休みに期待するワクワクとした雰囲気が溢れていた。

