冷たい世界の温かい者達






ガチャッ



「失礼します‼」


バタバタと足音が玄関からしても、その場から動くことが出来なかった。






横目に、リビングのドアから刑事ドラマでよく出てくる服を着た人達が入ってきたのが見えた。





「……‼ 救急車は…もう遅い、か………」








先頭に居た男の人は辛そうに顔を歪めて伏せた。





そして、その傍で自分を見る俺を見つけた男の人は目を見開いた。






「………‼ 君、怪我はない?!」





「………」




声が出なかった。




喉はカスカスで、怖くて、気持ち悪くて。







どうしようもなく、泣きそうだった。




「………歩ける?」





そう言われて立ち上がろうとしたけど、足はガクガクと震えて立つことが出来なかった。





それを見た男の人は俺をおぶってくれた。






足早に家を出て、車に乗り込んだ。





家の周りはパトカーばかりだった。




あれ程憧れたパトカーが、今では不安材料にしかならない。





ガタガタと体まで震え出して、それを腕で必死に押さえ込もうとしていると、男の人は優しく背中を撫でてくれた。






「………由薇?



俺だけどさ、今すぐ○×町に来れねぇ?」




電話をしているらしく、泣きそうな俺を心配そうに見ながらも耳元の機会を通して喋っていた。





「………悪いな。 あぁ」





通話を切った男の人は頭をくしゃっと撫でた。






何も言わないのが優しさってわかって、温かすぎるこの人に涙が再び溢れた。