「ーーー終了ー。
後ろから回答用紙前へ遅れー」
『朔、起きろ』
揺さぶられて薄く目を開けると、由薇の顔が目の前にあった。
「もう終わりだよ?
いつまで回答用紙持っとくつもりなの」
千尋が前ではぁっと息を吐いた。
…………るせぇ。
無言で回答用紙を渡すと、千尋は苦笑しながら自分のを重ねて前へ送った。
『今日、帰る』
「…………? 家にか?」
『うん。 …お父さんに、呼ばれた』
少し儚げに笑った由薇に、不謹慎にもドキッとした。
「そうか…………わかった。
気をつけてな?」
お父さん、ということは実家なのだろう。
本来なら送ってやりたいが、由薇にとってそれはタブー。
知られたくはないのだ。
だから、それ以上突っ込まない。
ーーーそれが、俺達の悲しいライン。

