真夏の残骸


「わかった、注文してくるね」


注文ついでにお手洗いに行こうとテーブルを離れた。

視線を感じたような気がして振り返ると、ばちっと目が合った。

……蓮崎くん、と。

すぐにふいっと視線を逸らした蓮崎くんは、集まってきた友達と楽しそうに話している。

…び、びっくりした…!

何度瞬きをしても、もう蓮崎くんはこちらを見ない。

さっきのも絶対に意図した訳じゃない。

ただの偶然だって解ってるけど…でも…すごく綺麗な目、してるから。

目力が強いというか…なんだか吸い込まれそうで。

だから目が逸らせなくて。

心臓が飛び跳ねて、暴れ出してしまいそうで。

この感情の名前をわたしは多分、知ってる。



―――そんなはずがないってことも、解っているくせに。