真夏の残骸


…わたしのことも、忘れないでいて欲しかった。


あのとき言えなかった言葉が咽喉に詰まって苦しい。

やっぱりあれは……わたしの初恋だったんだ。

きりのくんのことなんて殆ど知らなくて、なのに、どうして。


……知りたかった。


もっと、きりのくんのことを知りたかった。

キスをすれば彼の何かがひとつくらい解るような気がしていた。

ドラマの世界でしかそれを見たことがない幼いわたしは、きっとそんな風に考えていたんだろう。