「おめでとうございます!」 ニコリと笑みを返す。 すると、司会者はポッと頬を染めた。 「…あ、じゃっじゃあ!グランプリに輝いた雨音さん、ご感想をどうぞ!」 マイクを向けられても、あたしは話せない。 黙って首を振る。 観客も、司会者も、小首を傾げた。