「さぁもうすぐ地球よ!」
「うわぁ綺麗…」
地球はとても綺麗。
青と緑、白と茶色。
いろんな色がある。
「そしてあなたの記憶も消える頃ね…」
記憶…
「私の記憶やっぱ消えちゃうんですかね…」
皆との思い出をなくしたくない。
拓馬、未奈、和哉。
私の大切な人たちとの思い出。
忘れるなんてできないよ…
「あなた次第ね。記憶が消えるか消えないかは。」
「私次第?」
「えぇあなたが忘れたくないと強く願えば忘れないと思ってるわ。」
私次第か。嫌だ。忘れたくないよ。
「あれ…私どこからきたんだっけ?」
忘れたくないよ…
「花梨?もう始まっちゃったの?」
「花梨ちゃん…」
忘れたくないよ…
皆と約束したじゃん。
ダメだよ。約束を果たす前に忘れるなんて…
「たす…けて…忘れちゃうよ…皆のこと…あれ…皆って誰だっけ…」
「花梨…やだよ…お願い!花梨!」
やだ…やだ…やだ…やだ…!やだ…!やだ!!!
忘れるなんて嫌!皆との思い出を無駄にしたくない!
「…未奈?私…覚えてる…未奈ぁぁぁあ!」
「花梨…花梨!花梨〜〜〜!」
忘れなかった。ちゃんと覚えてた。
「花梨ちゃん。ここからが辛いよ。
人の前では感情をなくすこと。ばれたら
終わりだからね。」
「はい!」
よかった。私は覚えてた。
皆との約束。守ってみせる!