しばらく私と地球の花梨は文通を続けた。好きなひとにの話、和哉と拓馬の様子。そんな他愛ない話ばかりしていた。
「おっ!届いた!届いた!」
私は手紙が届くと嬉しくなってしまう。
未奈がいない今、女の子の友達なんていないからだ。
手紙には、
花梨ちゃんへ
この文通を始めてからもう1ヶ月たったね。
和哉の話聞けて楽しかった!
また聞かせてね!
実はね、言わなきゃいけない事があるんだ。
本当は言っていいのかわからないんだ。
この手紙が最後だから。
今花梨ちゃんがいるその星の情報を少しでも欲しいと言う国のために文通してたの。
でもね、私は花梨ちゃんの味方。
花梨ちゃんの話を聞いてて思ったの。
こんな制度いらないって。
こんなものがあるから皆命を大切にしなくなるんだって。
もう文通は出来ない。和哉の話も聞けない。あと一回、花梨ちゃんから手紙を送れるの。
もし嫌なら送らなくていい。
言いたいことがあるなら私に手紙を送って。
じゃあね。花梨ちゃん。またいつか逢える日まで。
花梨より
そんな事、急に聞かされて意味がわかるだろうか。