「おい!おい!待てよ!」
私たちは拓真に手を振りながら下駄箱まで来た。
「さぁ帰ろう。和哉。」
「あぁ」
なんか気まずい。なんか話さないと。
「「あのさっ…」」
あ。かぶった。
「和哉いいよ!先に!」
「え、じゃあ…」
「俺…好きな人いるんだ。」
え…私の前でそんな話しないでよ。
「ふーん。どんな人?」
本当は聞きたくない。でも流れ的にそうなっちゃう。
「可愛いくて、ノリよくて、友達が4人いる子。」
「へぇー」
「その友達は、拓真と和哉と未奈。」
ん?おかしいよね。だって3人とも私の友達なんだもん。
「…」
「俺の好きな人は花梨。」
「和哉…」
「付き合って下さい。」
「私でよかったらお願いします。」
私は本当に嬉しかった。和哉が私を好きなんて考えられなかったから。
「花梨?こっち向いて?」
「ん?」
ちゅっ
…え、キスされた?
「そんな目で見ないで。めっちゃ恥ずかしい。」
私は何が起きたのかイマイチ分からない。
「和哉?大丈夫?」
「あぁ大丈夫…」
今度は私からキスをしてあげた。
「反則過ぎ…」
和哉が小さな声でそんな事を言ってるとは私は知らない。