暴走族に捕まるという行為が、実はトラウマだったりする。 相手が優しいとか、そんなの関係なくて 私自身が『暴走族に捕まった』と思ってしまうと、異常に理性が飛んでしまう。 それは、当然そういう経験があるからなわけで。 その時の相手が狂っているほど怖かったからで。 その時と、重なってしまうんだ。 「もう、嫌っ……!」 目の前の彼らが悪い人じゃないのかもしれない。 それでも、心が拒否をする。 「もう、なんでもいいから……っ、近づかないで…っ」 目の前の茶髪から離れ、震えながら座り込む。