私たちの近くまで来て、ようやく、
龍のお父さんの顔が分かった私は、黙って一礼する。
「…君は、龍と付き合っているのか?」
「・・・」
口を見て、何を言っているのか理解し、また頷く。
「…君と龍はつり合わない。…君は知っているのか?
龍が、藤堂財閥の御曹司だと言う事を?」
「・・?!」
・・・初めて知った事実。私は目を見開いたまま、
龍を凝視する。
「父さん、こんなところに何しに来たんだ?」
「お前を連れ戻しに来たに決まっているだろう?」
「学校が終わったら、会社に帰る、だから今は帰ってくれ」
龍はそう言ってお父さんを睨んだ。
「…外で待ってる。会社に帰らないと、話が先に進まないんだよ。
…杏さんと言ったね・・・さっきも言ったように、
君と龍はつり合わない。だから別れないさい。傷つく前に」
「・・・」
私は今の状況を呑み込むことが出来なくなるほど、
具合が悪くなっていった。
聞こえなくなった耳。
龍の事・・・
具合が悪いのは、病気のせいなんかじゃない。
精神的に限界が来ていた。
龍のお父さんの顔が分かった私は、黙って一礼する。
「…君は、龍と付き合っているのか?」
「・・・」
口を見て、何を言っているのか理解し、また頷く。
「…君と龍はつり合わない。…君は知っているのか?
龍が、藤堂財閥の御曹司だと言う事を?」
「・・?!」
・・・初めて知った事実。私は目を見開いたまま、
龍を凝視する。
「父さん、こんなところに何しに来たんだ?」
「お前を連れ戻しに来たに決まっているだろう?」
「学校が終わったら、会社に帰る、だから今は帰ってくれ」
龍はそう言ってお父さんを睨んだ。
「…外で待ってる。会社に帰らないと、話が先に進まないんだよ。
…杏さんと言ったね・・・さっきも言ったように、
君と龍はつり合わない。だから別れないさい。傷つく前に」
「・・・」
私は今の状況を呑み込むことが出来なくなるほど、
具合が悪くなっていった。
聞こえなくなった耳。
龍の事・・・
具合が悪いのは、病気のせいなんかじゃない。
精神的に限界が来ていた。

