マーブル色の太陽


そういうと『声』は倉田さんに近づき、倉田さんの腹に拳を捻じ込んだ。

何度も何度も。

倉田さんは『声』の拳がめり込む度、気味の悪い声を出しつづけた。

トレーナーは涎と吐しゃ物で汚れ、それも切れた口から流れる血で、上塗りされていく。

次第に気味の悪い声を出すことすら出来なくなり、そのうちぐったりとなった。

『声』は、最後の仕上げと言わんばかりに、倉田さんの顔を、髪を鷲づかみし、腰の高さまで引き上げ、その、血と吐しゃ物で汚れた顔を最後に膝で蹴り上げた。


(だ、だめだ……そ、そんな……こと……しちゃ……)


僕は薄れゆく意識の中で、必死に『声』に問いかける。

最後に、再び骨のひしゃげる、ぐしゃりという音を聞き、僕の意識は途絶えた。