急に上方が騒がしくなってきた。 薄暗くなりつつある山肌に、赤いランプが回転しているのが見える。 僕は頭痛を堪えて上を向く。 銀色とオレンジの服を着た人が手を振っている。 僕はゆっくり振り返す。 「そこにいてください!」 拡声器から聞こえる声にホッとした時だった。 燃え盛る炎の中から人間の形をしたモノが飛び出してくる。 それは僕の体に纏わりつき、耳元を炎で舐めながらこう言った。 「一緒に行こう……相田くん……いつも……一緒だよね……」