パチパチという音を立て、乾いた草は煙を上げる。 そう言えば、しばらく雨が降ったのを見た記憶がない。 ここもそうなのだろうか。 僕がそう考えている間も、赤い炎は徐々に迫って来ていた。 脱出口を探す。 まだ火が弱い今なら、正面を突っ切ればよいのだが、それでは馬場先生に直ぐに捕まってしまう。 僕は身を屈め、他に出口がないか探し始めた。 これも馬場先生の作戦だとは気づかずに。