マーブル色の太陽


僕はそちらの方を見る。

かなりの高さだ。

目測ではわからないが、少なくとも10階建てのビル位の高さに感じた。



バスは、直接ここまで落ちて来たのではなく、斜面をしばらく進み、その後、横転したのだろう。

なぎ倒された木々が、そう物語っていた。



あの目をつぶった直後、一瞬の静寂の後、激しく何かにぶつかる衝撃を感じた。

僕は精一杯足を踏ん張ったが、とても落下の衝撃には耐えきれるものではなかった。

運よく江口さんのいる所に落ち、座席の下へ下半身を突っ込む。

体が引き千切られるような痛みを感じながらも、歯を食いしばって耐える。

窓ガラスの割れる音、鉄がひしゃげる音、何か柔らかく固いものがぶつかる音、何かが折れような音。

副担任が僕のいる座席付近まで飛ばされるのを見た直後、上から落ちてきた何かに押しつぶされ、僕の視界は真っ暗になった。