「アリバイ! ア、アリバイは、あ、あるのか!」 馬場先生が叫ぶ。 余程、切羽詰っているのか、本当に自分の立場がわかってないのか、ある意味、不気味だった。 目は充血し、青や赤に刻々と変わる顔色。 口角から泡を飛ばし、琢磨が抑えていなければ、本当に飛び掛ってきそうだった。 狂ってる……。 それが、僕の頭に浮かんだ、率直な感想だ。