マーブル色の太陽



「まあまあ、馬場先生。落ち着いてください」


琢磨が助け船を出してくれる。

馬場先生のトーンも下がる。

それでも「いや、しかし……」などと言っていたが、琢磨は無視して、僕の目を覗き込みながらこう言った。


「あのな、昨日、ちょっと事件があってな、警察の方が少し話を聞きたいそうだ……大丈夫か?」

「……はい」


僕はうなだれながら答える。

馬場先生が横を向いた隙に確認すると、顔の周りの黒い霧は、もう輪郭しかわからないほど黒くなっていた。