「お前、昨日の夜、7時半頃何処にいた?」 馬場先生の追及が始まる。 先生の顔の周りに、もやもやとした黒い霧のようなものが立ち昇っているのが見える。 周りにいる他の教師達も、ひとりを除いて、すべてその霧に覆われていた。 「黙ってないで答えろ!」 僕はびくびくするフリをしながら俯く。 そして、考える。 そろそろ来るはずだ。 馬場先生や他の先生に話す必要はない。 これはもう、立派な2つの事件だからだ。