『おい。直ぐに突き出せばいいだろうが!』 あかねさんが出て行った直後、『声』は僕にそう言った。 『余計な小細工してんじゃねえよ! お前の頭ん中は筒抜けだからな』 もう従うしかない。 頭への攻撃も次第に強くなっていっているように感じる。 痛みもそうだが、あの時、感じたことが強烈だった。 このまま殺されるのではないか、このまま命を落とすのではないか。 そういう恐怖。 それが僕の頭に住み着いている。 いついかなる時にそれが暴走するかもしれないという不安は、僕の中でかなり大きくなっていた。