「もうすぐ終わるから、待っててね」 あかねさんがそう言いながら、こちらを振り向いた。 僕はその声に意識を取り戻す。 どうやら僕が仰け反った瞬間は、道具を片付けていた為に、目にしてないようだ。 「は、はい……」 僕はあかねさんに悟られないように、息を整えつつ小さく答える。 その弱弱しい声に勘違いしたのか、あかねさんはこう言って病室を出て行った。 「そんなに寂しそうな声出さないで。直ぐに帰ってくるから!」