スニーカーに手を掛ける。 コトリとした手の感触に、一瞬、嫌な感覚が背筋を登っていく。 また、誰かが、何かを……。 僕は慎重に靴の中を覗く。 外は暗くなりつつあり、下駄箱は更に暗くてよくわからない。 僕はスノコの上に、靴の中に入っているものを出してみることにする。 靴を斜めにし、つま先をトントンと叩く。 それは、少しずつずり落ちてきたが、踵の所に引っかかり、下には落ちて来なかった。