「ほら、相田、行こうよ」 気づくと、合瀬は教室の入り口で待っていた。 僕を不安そうに見つめる江口さん。 原田が喜んでいるのが、イラストを書く背中からも伝わってくる。 「わ、私も……」 江口さんが、恐る恐るという風に声をあげる。 合瀬はその声を無視し、教室の引き戸を開けると、後ろを振り向くことなくこう言った。 「相田も、オレに話があるんじゃない?」